EAGLEで選択範囲をコピーしたり貼り付けたりするのは標準的な機能で
行うことができますが、選択範囲原点を指定してをコピーしたいことありませんか?
例えば、前作った基板の外形だけを使いたいから、
外形レイヤーと穴レイヤーの2つのレイヤーだけを表示にして、
範囲を選択してコピーしそれを貼り付ける時に、
コピーする時Ctrl+右クリックした場所が原点となってしまい
貼り付ける時に作業しにくい事がありませんか?
座標(0,0)に貼り付けようとして、こういう状況になって困っちゃう。
そんな作業を解決するのがコマンド入力。
今回は
・原点を指定してコピーのやり方(GROUP,CUTコマンド)
・原点を指定して貼り付けのやり方 (PASTE コマンド)
・cmd-draw.ulpの話
・原点を指定して貼り付けのやり方 (PASTE コマンド)
・cmd-draw.ulpの話
の順で説明していきます。
※動作環境Windows EAGLE Version 6.6.0 でのお話
違うバージョンでは動作が違う可能性があります
違うバージョンでは動作が違う可能性があります
■原点を指定してコピーのやり方
1.Groupツールで指定箇所を選択。
指定したい場所をクリックしそのままドラッグすると範囲を選択できます。
2.コマンド入力で "CUT␣(x␣y);"と入力
(x␣y)の部分は原点を指定できます。
原点が0,0の場合
CUT␣(0␣0);
となります。
■原点を指定して貼り付けのやり方
Rxx.xの部分は角度指定です。
(x␣y)の部分は原点を指定できます。
22.5度回転させて原点を0,0に貼り付ける場合
PASTE␣R22.5␣(0␣0);
となります。
正しく11.25度の線がちゃんと生成されています。
余談
EAGLEはいいぞ、みんな使おうな。
原点0,0から100,0に引いた線を
GROUPコマンドで選択して
CUTコマンドで原点を0,0に指定してコピー
22.5度回転させて0,0の位置に貼り付けをすると
このようになります。
正しく線が22.5度で貼り付けられている事が確認できます。
※角度は後から表記したものとなります。
では22.5度の半分の11.25度は指定できるのか?という疑問ですが
やってみると
11.25度の線を引くには線の座標を直接入力するしかないと思われます。(未確認)
コマンド入力"Rxx.x"の部分は0.1度で指定する必要があります。
真空管のソケットやニキシー管やVFDなどの部品のライブラリを製作するのに
応用することができます。
■cmd-draw.ulpの話
EAGLEのPASTEコマンドでは0.1度未満の指定はできないようになっていますが
他の機能でうまいこと生成する事ができるのでそちらを使えば良いと思われます。
cmd-draw.ulpを利用すれば、ステップ角や原点からの半径などの数値を入力すれば
自動で座標を計算してくれて、360度を割り切る事ができないような奇数の
5ピン,7ピン,9ピンなどの真空管ソケットやニキシー管やVFDなどの
ライブラリを作る時には重宝します。
ここではUlpの詳しい説明は省かせていただきますが実行すると以下のように動作します。
ちゃんと座標指定になっているので実行すると
原点(0,0)から長さ50の線が32本生成された。
同じcmd-draw.ulpの中にもGROUPコマンドで回転を指定できるものがありますが
実行したあとのコマンド一覧を見ると中身はPASTEコマンドが動いているので
cmd-draw.ulp を使う時の注意点ですね。
■まとめ
GROUPコマンドで範囲を指定
CUTコマンドで原点を指定してコピー
PASTEコマンドで指定した座標に貼り付け(角度指定も可能)
という流れです。
最初の画面での状況で実行すると
このようになります。
Group␣all;
Cut␣(-36␣-23.75);
Paste␣(0␣0);
という流れです。
その後いったん消して
Paste␣R22.5␣(0␣0);
で角度指定して貼り付けています。
途中PASTEツールでも原点を指定できている事が確認できます。
あまり活躍する場面はないと思いますが、僕はたいへん活用しているので
忘れないように記事にしておきます。
※注意"␣"は空白です。 念の為。
追記2022/02/20
■応用例
応用例 大口径のスルーホールの周りに補助ビアを配置する事が可能
穴の中心から見て0度にviaを配置、その後45度で回転貼り付け、
0度45度の2つのviaを選択しその後90度180度270度貼り付け、
8つのviaを選択し中心の点で22.5度回転させて完成。
(0␣0); (x␣y); ←かわいい
EAGLEはいいぞ、みんな使おうな。
それでは。